おはよう、ニッポン!
ども、shiroです。
昨日は「45歳からの起業ノート①」という記事を書きました。
私は40代半ばに会社を辞めて独立したおかげで、今、ひとりで自由な生活をしています。
もし昔の私と同じように、会社の人間関係がツライとか、できるだけ人に会わずに家で仕事をしたいと考えている人がいたら、雇われない働き方もあるよとおしえてあげたいです。
そこで今日は、独立するなら知っておきたい個人事業と会社の違いをまとめていきます。
起業するなら会社を作った方がいいの?個人より法人の方が信用されるの?
そんな疑問にもお答えします。
この記事を書いている私は、2013年に個人で独立開業し、2017年にはひとりで株式会社も作りました。
今は個人事業とひとり会社の2つを掛け持ちでやっています。
私自身の経験を踏まえて、お伝えして行きます。
この記事の内容
個人と会社の違いを知っておこう
個人事業とは、個人で事業をすることです。
個人が売上を作り、そこから経費を引いた分が利益になります。
個人事業だからと言って、誰かを雇えないわけではありませんし、売上を大きくすることも可能です。
これに対して会社・法人には、株式会社・合同会社・一般社団法人などがあり、個人とは別の人格となります。
売上は代表者個人のものではなく、会社・法人のものとなります。
そのため税金も、個人とは別に法人税を支払う必要がありますし、法人としてお金を借りることもできます。
個人事業と会社の違い
個人事業と株式会社を比較すると、次のようになります。
個人事業 | 株式会社 | |
開業・設立 | 税務署へ開業届提出 | 定款作成・設立登記手続き |
会計 | 個人の確定申告 | 法人決算書・申告 (一般的に税理士に依頼) |
税金 | 確定申告時の利益に応じて | 決算時の利益に応じて 赤字でも7万円は課税 |
赤字の繰越し | 3年(青色申告時) | 10年(青色申告の場合) ※H30.4.1以前の設立なら9年 |
経営者の給与 | 経費にならない | 経費になる |
社会保険 | 事業者負担分なし (従業員5人未満の場合) |
会社負担分あり ひとり会社でも加入義務あり |
個人と株式会社では、税金や経費をはじめ、お金に関することが違って来ることが分かりますね。
お金は重要なので、「どっちが得なのか?」ということも、1つの目安になるはずです。
また、「信用」に関しては、会社の方が高いとは一概には言えません。
信用は実績によって積み重ねるものです。
個人でも会社でも、取引先や売上実績の内容によって信用が高くなると考えましょう。
個人事業で起業する手順
個人事業で独立するためには、書類手続き的には、税務署に開業届を提出するくらいです。
開業届を出すことで、個人事業主として納税の義務を負うことになります。
できれば同時に「青色申告承認申請書」を提出することをおすすめします。
カフェや飲食店など、許可申請が必要な場合は、必要な手続きをしてから開業届を出しましょう。
知っておきたい青色申告
「青色申告承認申請書」とは、青色申告をする場合に提出する書類です。
(正確には、青色申告を承認してもらうための書類です)
参照:国税庁 青色申告承認申請書手続き
青色申告をすると、次のようなメリットがあります。
- 青色申告特別控除(最高で65万円)が受けられる
- 生計を一にする親族への給与が経費に算入できる
- 3年間赤字繰越が可能
- 30万円未満の減価償却資産が一括で経費算入可能
青色申告特別控除を受ける条件は、次のページを確認ください。
参照:国税庁 青色申告特別控除
簡単にまとめると、帳簿を複式簿記で付けることと、確定申告の際を電子申告で行うと、最高額の65万円の控除を受けることができます。
複式簿記については、それほど難しくないので、日々帳簿を付けて、節税しましょう。
複式簿記は簿記3級程度の知識があれば問題なくできます。
また、複式簿記で入力しなくても、自動的に複式簿記の形式に変換してくれるクラウド会計サービスのfreeeを使うと、簿記の知識がなくても複式簿記で帳簿管理が可能になります。
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まずは無料で記帳できますし、クラウド上に保管するので、データ管理も安心です。
個人でも、会社・法人でも、確定申告の手前までは無料でできるようです。
私が使っているクラウド会計サービスは、マネーフォワードです。
次の記事でマネーフォワード家計簿アプリについて紹介しましたが、その流れで、事業の帳簿もマネーフォワードにしています。
私は簿記3級の知識を持っているのですが、少し簿記を知っている人には、マネーフォワードの方が使いやすいかもしれません。
家計簿アプリから取り組んでみて、お金の管理を体験してみるといいと思います。
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また、青色申告制度は、2020年度から大きく変更されました。
これまで65万円だった控除が55万円となり(ただし、基礎控除が38万円から48万円に上がります)、申告を電子申告にすることで65万円の控除を受けることができます。
10万円と65万円だった控除が、10万円、55万円、65万円の3つのパターンに分かれました。
私は65万円の控除を受けるため、マネーフォワードで帳簿管理をして、確定申告にはe-taxを使って電子申請しています。
電子申告は年々簡単になっています。
参照:青色申告の控除額が変わります
オフィスは借りたほうがいいのか?
開業すると、オフィスを借りるかどうか悩む人もいるようです。
ネイルなどの美容系や飲食店など、店舗が必要な事業もありますが、業種によっては、自宅ワークで問題ないものもあるでしょう。
副業からはじめるライターやアクセサリーの制作販売などは、パソコンがあればできますよね。
株式会社を作る場合は、設立登記の際に本店の住所が必要です。
自宅と別の住所にしたい場合など、登記できるオフィスを借りる必要があるでしょう。
住所を借りて登記できるオープンオフィスなどもあります。
店舗や事務所などを借りると、毎月家賃が発生します。
これは固定費と言って、売上がなくても必ず払わなければいけない費用です。
軌道に乗るまでは、固定費はできるだけかけないのがおすすめですし、固定費半年分くらいの資金は持っていた方がいいでしょう。
新型コロナウイルス感染症で自粛や休業要請が出され、経営者のネックになっているのが固定費です。
これからの時代も見据えながら、固定費を含めた運営方法について考えて行きたいですね。
会社を作るタイミング
「会社を作った方が信用されるんじゃないか?」
そう思う人もいるはずです。
実は、私たちがいきなり会社を作っても、信用してもらうまでには時間がかかります。
もちろん、俗に言う一流企業や有名企業の場合、売上や実績から個人より信用されるでしょう。
それに対して、作ったばかりの資本金10万くらいのひとり会社などの場合は、個人の方が信用されると考えていいです。
最初にも書きましたが、結局大切なのは、積み重ねた実績です。
まずは個人事業で始め、軌道に乗って来たら会社にして、規模も大きくして行くのがおすすめです。
軌道に乗った状態の目安は、年間売上が1,000万円以上です。
これは、消費税の納税の基準にもなります。
年間売上が1,000万円を超えると、消費税の納税が必要になります。
これは、個人でも会社でも同じです。
※2023年10月からはインボイス制度がスタートしますので、年商1,000万円行かなくても消費税の納税が必要になるケースもあります。
ただし、次の場合は、初めから会社を作ってスタートしましょう。
- 取引先が決まっていて、その取引先が個人とは取引をしない場合
- すでに売上が見込まれていて、会社にした方が経費や税金の関係で有利な場合
まとめ:ひとりで始めるなら、個人事業で充分
今回は、個人と会社(株式会社)の違いを解説しました。
ポイントをまとめると、次の通りです。
- 個人事業で開業する時は「開業届」を提出すればOK
- 「開業届」と一緒に「青色申告承認申請書」を提出すると特典がある
- 会社は設立手続きが必要で、個人事業とは経費や税金の扱い方が違う
- まずは個人事業で始め、年間売上が1,000万円を超えたら法人化を考えるのが一般的にはおすすめ
ひとりで始めるなら、まずは個人事業で充分でしょう。
また、税金や経費の知識が必要になりますので、少しずつ勉強して行くことをおすすめします。
実際に始めてみると自分事になるので、自然と知識も身に付くはずです。
shiroはなんで個人事業と株式会社の2つをやっているのか?
その疑問には、また別の記事でお答えしますね。